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弁護人を付けるか、自分でがんばるか

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弁護人を付けるか、自分でがんばるか

 弁護士に補佐を依頼するかどうかはあなたの自由です。意見聴取に関する知識や経験を持つ弁護士はあまり多くありません。経験がないことを理由に断られるかも知れませんが、果敢に取り組んでくれる弁護士もいるでしょう。先にもお話ししたように、意見聴取は裁判のようなものです。弁護士は道交法や行政処分について豊富な知識・経験がなくても、法律の専門家として、あなたが直面している困難について専門的な立場から相談に乗ったり、活路を見いだしたりしてくれるのではないかと思います。

 費用はどうなるでしょうか。弁護士会が統一的に定めていた報酬規程には、行政処分の弁護士費用に関する基準がありませんでした。引き受ける弁護士がいかに少なかったかがわかります。と言うか、おそらく弁護士が関わる問題ではないと思われてきたのでしょう。今は弁護士費用の基準は弁護士が個々に決めることになっていますが、道交法の行政処分補佐に関する報酬規程を掲げる弁護士は極少でしょう。

 意見聴取はその日一日で終わって直ちに結論が出るのが普通です。刑事事件の捜査段階の弁護士費用を参考に、意見聴取の場合の事務量を考えると、着手金が10万円前後、成果があったときの報酬金が10万円前後くらいかと思いますが、率直にお尋ねになってみてください。

 なお、補佐人は法律の専門家でなくてもなれます。自分で主張も立証もするという考えも当然あるでしょう。法律論を大展開することはあまりないという意味では、弁護士を付けることが不可欠だとも言えません(「交通事故の補償請求」のコーナーで弁護士への依頼を強調しているのとは少し異なる)。もっとも、弁護士を付けるドライバーが少ない状況の中で、弁護士に依頼してまで自分の言い分を聞いてもらいたいと思っていると印象づける点では、弁護士を付けることにも価値があるでしょう。

 ともあれ、自身で奮闘する決意と実践が一番大事です。なお、補佐人を付けるには公安委員会の許可が必要です。許可申請用紙は公安委員会にあり、公安委員会は補佐を認めるかどうかを聴取に先だって判断します(印鑑持参を)。弁護士が補佐を断られることは基本的にないと言ってよいでしょう。

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