3.事実を調べて記録に残す
自分でも現場を調べる
事故の実情は意外にわかりにくいものです。被害者のあなたが真相を一番正確に把握しているかと言うと、「こういう事故に違いない」と思いこんでいるだけの場合もあります。交通事故の責任を考える鍵は、あくまでも科学的で合理的な判断です。
現場に残っている事故の痕跡は、ご自身やお願いできる身近な方も調べるようにしましょう。縁石に残る僅かな痕跡、路上の小さなえぐり痕(ガウジ痕)、薄く残るスリップ痕、実況見分時(後述します)に見落としていた痕跡等々。丁寧に路上観察をしましょう。
事故後できるだけ早い時期に現場に行きます。時が経つと痕跡が消えるほか、事故後の工事等で様子が変わったり、交通規制方式が変わったりするからです。事故後現場の道路状況や交通規制状況が変わっていないかどうか、現場行きに先立って警察に聞いておきましょう。
現場に足を運ぶと、交通状況、信号表示時間の実情、明暗の状態もわかります。事故発生時と同じ時間帯、天候時を選び、曜日も同じにした方がよい場合もあります。治療などのためご自身が行けない場合には、誰かに行って貰います。「見たくもない現場」ですが、そこは宝の山でもあります。現場を調べる際には、その状況を写真やビデオで撮影します。ご自身の事後確認に役立つほか、弁護士に報告する時にも役立ちます。
経験した内容を記録し、資料を保存する
事故や事故後の経過がはっきりしなくなると、その後の交渉の段階で無用の苦労が増えます。ノートを用意し経過を記録しましょう。事故の経過、その後のこと、警察の調べ、加害者側の人たちとのやりとり、闘病経過などを書き込みます。本人が書けないときは家族など周囲の方が代わって書きます。警察の調べに納得がいかないところがあれば、それも克明に書いておきましょう。後々争うときにも、初めからそのような問題があったと言えます。わかることは詳細に記録し、わからないことはわからない、はっきりしないことははっきりしないと記録しましょう。
あなたが経過記録を弁護士のもとに持参された場合と、思い出しながらただ話すだけの場合とでは、事件に関する弁護士の理解が大きく変わります。また、応答の確かさや分析の深さにも大きな差が出ます。
医療関係の書類や様々な領収書など、関係資料を保存することも大切です。整理は後に回しても、とりあえず保存だけは確実にしておきましょう。
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