交通事故時の補償解決実績、および著書、講演実績多数 交通事故の弁護士と言えば高山法律事務所

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「大本営発表垂れ流し報道を私たちはくり返させない」

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大本営発表垂れ流し報道を私たちはくり返させない【裁判員制度】

「1年後」をマスコミはどう報じたか

真珠湾奇襲1年後の1942年12月7日、朝日は「不敗のわが戦略態勢」と題する社説で論じた。「この1箇年の戦ひは、われの輝かしい戦果の記録をもって飾られ、わが不敗必勝の戦略態勢は力強く打ち立てられた」「戦ひはこれからいよいよ本格的な段階に入る。今こそ1億のすべては、この自戒を胸底に銘記して来たるべき戦ひに挺身し、この勝利を最後まで押し切ってゆかねばならない」と。
裁判員制度施行1年後の2010年5月19日、朝日は「健全な良識さらに深めて」と題する社説で論じた。「まずは順調な滑り出し」「問題があり疑問や批判があっても、個々の事象に惑わされずに制度の将来を見守ろう」と。読売は「1年間の検証を改善に生かせ」「概ね順調」「社会問題関心高まる」。毎日は「『よい経験』深化させよう」「順調なスタート」。似たようなもの。あのときと同様である。
大きな特徴は、国民の拒否を無視し、拒否されても処罰できないでいることにも触れないこと。事件処理の暗礁乗り上げ状況を「事件が滞っている(朝日)」「時間がかかりすぎる(読売)」「裁判の渋滞(毎日)」などの微温的表現で統一したことだ。ロバート・ブラウニング風に言えば、世はすべてこともない風景である。

危機を隠す 危機だから隠す

戦端開始わずか6か月後のミッドウェー海戦で迎撃され大敗を喫した日本は主導権をほぼ完全に米国に握られ敗走に敗走を重ねることになる。しかし大本営はミッドウェーの大敗北をひた隠しにし、1年目に朝日をはじめ各紙は「輝かしい戦果」だの「不敗必勝」だのと浮かれきった社説を競って展開した。
裁判員制度はどうか。国民の大半が背を向け、事件処理は絶望的に滞留している。「順調な滑り出し」は真っ赤なウソ。マスコミにも秘匿されたというミッドウェー大敗と比べ、事実を知りながらねじ曲げたり隠したりする現代のマスコミの悪辣さは往事をしのぐとも言える。

でも隠しおおせない

各紙の1周年記事に通じるのは名状しがたい歯切れの悪さであるが、報道をよくよく見ると報道に風穴が開いていることがわかる。

5月18日の「裁判員制度にとどめを!全国集会」は、朝日、読売、毎日の3全国紙がそろって報道し、共同通信は全国各地域紙に配信した。

北海道新聞は「これで定着できるのか」のタイトルのもと、「審理粗雑は本末転倒」「評議時間が短い」「誤判は許されぬ」「弁護の努力や工夫の問題か」「刑事裁判の基本を知らない裁判員の対策は」「裁判員裁判尊重を言う控訴審は三審制の形骸化」「賛否両論のもと多くの課題を抱えたまま」と手厳しい論調だ。

河北新報は「敬遠する気持ちまだ根強い」と国民の反感を見据えたタイトル。「反発・不安・憲法違反の批判中のスタート」「最高裁アンケート結果で消極意見が80%台」「表立った反対行動に出なくても多くは勘弁してほしいと考えている」「敬遠する心情をどう考えるか」…。国民の反発を抜きにした論への疑問に徹した。

福島民友新聞は「課題検証」のタイトルで、「裁判官の恣意的誘導の有無」「公判前整理手続きの長期化と密室処理」「弁護技量の劣勢」「遠隔地居住裁判員の負担」と裁判の実情に素直な批判の目を向けた。これら3紙に共通するのは、「順調スタート」の言葉がまったく登場しないことだ。

虚ろな壁は私たちが打ち破る

極めつきは東京新聞の特集記事「ここがおかしい!裁判員制度 裁判員『好調』は虚像か」である。本文は「全国情報」第9号7頁にゆずり、見出しだけ並べる。「守秘義務、負担は重く」「『消極』8割減少せず」「高出席率もカラクリ」「終わったから『よい経験』」「事件は滞留審理『迅速化』加速へ」「冤罪阻止に逆行」。さぁどうだと読者に迫っている。

マスコミも一皮剥げばガタガタである。風穴が空いていると書いたが、実情を正確に言えば私たちの運動が風穴を開けているのだ。
裁判員制度という「現代の赤紙」「現代の徴兵制」をめぐる大本営発表垂れ流し報道を私たちは許さない。歴史をくり返させない私たちの運動は、今や明らかにマスコミの一角を崩し始めている。

(裁判員制度はいらない!全国情報第9号)

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