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目 次

第1 弁護士に処理を依頼する

  1. 本人だけで進める交渉と弁護士による交渉
  2. 保険会社相場と裁判所相場
  3. 弁護士に頼むメリット
  4. 弁護士はどこで力を発揮するのか
    支払いの仕組み
    ここで金額が変わる
  5. 弁護士関与相場の登場
  6. 弁護士費用と依頼の得失
    弁護士費用の内訳
    弁護士費用の決め方
    事件処理と弁護士費用のイメージ
    私の場合は

第1 弁護士に処理を依頼する

3 弁護士に頼むメリット

 交通事故事件の補償をめぐる実際の交渉は、このような状況を背景に展開されていきます。そうだとすると、補償請求問題に直面した被害者はどうすればよいのでしょうか。まずは、保険会社が提示する金額に決して唯々諾々と従ってはならないということです。そして、できる限り保険会社相場から裁判所相場に近づけさせる努力を尽くしたいのです。

 裁判所相場は次の本に載っています。『交通事故損害額算定基準』(財団法人日弁連交通事故相談センター刊。通称「青本」)は、全国的な裁判所相場を知る手かがりになります。『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部刊。通称「赤本」)は、東京地裁を中心とした都市部の裁判所相場を知る手かがりになります。どちらも、一般の書店では販売していませんが、図書館などで閲覧することができます。

 これらの本には自賠責保険の支払い基準も掲載されていますが、それは基本的に任意保険による支払いの際の基準でもあり、それこそが先にお話しした保険会社相場なのです。

 

 こういった資料を参考にして保険会社の担当者にかけ合うと、彼らはどう応えるでしょうか。被害者のあなたの努力の結果、もしかするとごく僅かの譲歩はしてくれるかも知れませんが、一般的にはかなり厳しいことになります。何と言っても彼らはプロであり、また保険会社という組織の一員です。「どこの保険会社でも、入院中の諸経費は1日1100円として計算します」と言われるのがオチでしょう。保険会社共通の基準が1日1100円になっているのですから、勝手におまけして1300円にするとか、裁判所相場の1500円にすることなどできようもないのです。

 そこに登場するのが弁護士です。たいていの弁護士は、補償交渉時の要求金額を当然のように裁判所相場で計算します。この「当然のように」というところがミソです。あちらがプロならこちらもプロ。弁護士は「交渉が不調に終われば、この内容を請求金額にした訴状を裁判所に提出するだけです」と言えます。結果、保険会社は「さぁどうする」ということになります。弁護士は「うっとうしく、やっかいな存在」と言いましたが、それは具体的にはこういうことです。

 弁護士には交通事故の損害賠償に関する法的知識や実務経験があります。仮に知識や経験がそれほど豊富でなくても、法的思考の下地がありますし、皆さんがアクセスしにくい情報に近づくノーハウも持っています(交通事故に詳しい弁護士から助言を受けることもできます)。突破しなければならないポイントがはっきりすれば、そこを攻略します。一般の方はどうしたらよいのかわからない状態に陥りがちですが、そこが素人と違うプロの特質です。

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