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目 次

第1 弁護士に処理を依頼する

  1. 本人だけで進める交渉と弁護士による交渉
  2. 保険会社相場と裁判所相場
  3. 弁護士に頼むメリット
  4. 弁護士はどこで力を発揮するのか
    支払いの仕組み
    ここで金額が変わる
  5. 弁護士関与相場の登場
  6. 弁護士費用と依頼の得失
    弁護士費用の内訳
    弁護士費用の決め方
    事件処理と弁護士費用のイメージ
    私の場合は

第1 弁護士に処理を依頼する

2 保険会社相場と裁判所相場

 保険会社相場と裁判所相場という言葉をご存じでしょうか。相場といっても株の話ではありません。交通事故の補償請求に関わる弁護士なら誰でも知っていて、交通事故の補償のことを知らない(たいてい知らない)被害者にはほとんどわからない補償金額のダブルスタンダードの話です。

 私は、昔から、こんなやり方は一刻も早く是正すべきだと主張しているのですが、保険会社は何と言われようとこの方式を死守しています。保険の世界は独占禁止法が適用されないことになっていますが、それをよいことに自分勝手で理不尽な論理が全保険会社共通でまかり通っているのは途方もなく大変なことです。

 15年以上も前になりますが、私は、当時担当していた全国紙(毎日新聞)の「交通事故法律相談『ろっぽう問答』」にこのことを書いています。タイトルは、ずばり「保険会社相場と裁判所相場−事故の損害賠償出し渋る保険会社」です。

Q 交通事故の損害賠償額には保険会社相場と裁判所相場があると聞きました。何か納得できないような気がするのですが。

A おっしゃる通り、交通事故の損害賠償額には保険会社相場と裁判所相場があります。ドライバーや車両保有者の多くは保険に入っています。事故の発生を保険会社に連絡しますと、補償交渉の必要なケースについて保険会社関係者が被害者との交渉に入ります。この交渉に際して保険会社が設けている支払額基準が保険会社相場といわれるものです。

 この交渉が行き詰まると裁判ということになります。その裁判の判決の中や裁判上の話し会いの場で裁判所が示す支払い額基準が裁判所相場です。

 この両者の実情は、おおむねこのあたりだろうと推測してみますと、例えば第1級の後遺障害がある場合の慰謝料は保険会社相場で1050万円、裁判所相場で2400万円。葬儀費は保険会社相場で55万円、裁判所相場で120万円。入院中の諸経費は保険会社相場で1日につき800円、裁判所相場で1300円というような具合です。
 手間と費用をかけ、おそらくは弁護士費用の支払いも覚悟してまで裁判を起こす人には高額の補償がされて当然という考えもあるようですが、それはやはり不合理です。裁判所が示す基準というのは、皆さんが守るルールはこれですよ、と社会一般に公表する司法判断です。泥棒に入られ、100万円相当の被害を受けた人が補償されるべき金額は100万円です。裁判外なら70万円、裁判なら100万円などとはだれも言いません。

 人身事故の被害者で裁判を起こす人は100人に1人もいません。ということは、現実の被害補償のほとんどが裁判所の基準を大幅に下回るベースで行われているということです。市民生活に密着した法律問題で裁判所の判断がこれほど堂々と無視されている例を私は知りません。裁判所は保険会社のこの低額支払いをどう考えているのでしょうか。

 どうしても保険会社が裁判所相場の3分の2以下しか支払わないこというのなら、裁判所相場の方を現状から5割アップしてほしい、といいたくなりますね。(1993年5月21日)

 現在(2009年)の支払い基準額はこの記事中の数字よりすべて引き上げられています。具体的に言えば、1級後遺障害の慰謝料は保険会社1100万円・裁判所2800万円、葬儀費は保険会社60万円・裁判所150万円、入院中諸経費は保険会社1日1100円・裁判所1500円です。両相場の間の基本的な格差は少しも変わりません。というよりも支払い金額の差はむしろ拡大しています。

 交通事故事件の賠償や保険などの専門家が入っている日本交通法学会でも、私は『保険会社相場と裁判所相場』の矛盾を放置してはいけないと発言したことがあります。1993年5月のことです(交通法研究第22号)

 参加していた保険会社側の弁護士は、「裁判基準と同額なら弁護士に頼まなくても裁判を起こさなくても解決する。だったら裁判基準の8割でよいという思想だ」と説明しました。私に言わせれば、それは説明になっていません。裁判を起こさなくても正義は正義として通用しなければならないはずです。裁判所は、その金額が「本来払うべきお金」だと言っているのです。話をすり替えたり、ごまかしたりしてはいけません。

 私は、保険会社にとって加害者は大切なお客さまだと言いました。しかし、保険会社が加害者を本当に大事にしているかと言えば、私には異論があります。

 任意保険に加入している加害者の中には、契約上の支払い額限度が「2億円」なら2億円まで、「無制限」なら無限に、被害者が求めるだけ補償金を支払ってくれると思っている人もいます。それは完全な誤解ですが、自分の謝罪の心を適切な補償金額の支払いという形に変え、被害者に最大限の誠意を示してくれるのが保険会社だと思っている加害者はごく普通です。

 しかし、現実には、保険会社は、裁判所が認定する相場の金額を自分たちの支払い基準額にしていません。1級後遺障害の後遺症慰謝料は2800万円程度が基準だと裁判所が言う以上は、裁判を提起しない被害者に対しても、同じように2800万円程度の後遺症慰謝料を支払ってあげてほしいと願う加害者がいて少しもおかしくありません。しかし、保険会社は、裁判所が決めた支払い基準よりはるかに低い自分たちの支払い基準を勝手に作っているのです。加害者が保険会社に被害者に2800万円を払ってあげてほしいと申し入れたとしても、うちは1100万円しか支払わないことになっていますと言うだけでしょう。

 現在の任意保険は、基本的に、保険会社が被害者との示談を加害者に代わって行う内容になっていますが、それは保険会社の加害者に対するサービス提供ではなく、加害者に裁判所の基準に従った補償をさせないで保険会社の基準で支払うことに目的があります。つまり、保険会社は自身の利益を被害者だけでなく加害者の利益の上にも置いているのです。私は、この「示談代行方式」は、「保険会社相場」を貫徹するために作り上げたあくどいシステムだと思っています。

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